アジャイル立ち上げプロジェクトが無くならない謎〜一体何を立ち上げているのか?〜
今の仕事で、ちょっと縁があり”アジャイル導入”のお手伝いすることになった。
ん?アジャイル?
個人的にはもう、そろそろ死語になるのかなと思ったいたが、アジャイル教の布教の需要はまだまだあるみたいだ。(アジャイル教を知りたい人は以下参照)
間違いだらけのソフトウェア・アーキテクチャ―非機能要件の開発と評価 (Software Design plus)
仕事だし、お金をもわらないと生活できないので、それっぽい布教活動はするが、8割方無駄に終わるので、気乗りしない仕事。いまだに『アジャイルを導入すれば、いまのグダグダの開発がどうにかなる』といった先入観、過度の期待を持っている人が多いのは何故なのか・・・
自論であるが、アジャイル導入の成功に必要な要件は、シンプルに
- T型人材が何人もいること
であると考えている。
<T型人材とは?(意訳版)>
何かしら一つの領域において”専門性”がある。専門外の分野でも壁を作らずに、前向きなコミュニケーションができる。プロジェクトや日々の業務において、足らないスキルや知識を素早く察知し、自主的に補うモチベーションがある。
<アジャイル導入が上手くいかない理由(勝手な見解)>
日本の総合職では、
- 壁を作り、殻に閉じこもるのが好きで、
- 勉強するモチベーションもなければ
- 専門性もなく、
- ちょっとできる人をヨイショするか、邪魔するしかできない
って感じの人が多いので、どんなにいいフレームワークを入れようが、講師を招こうが、無駄。鉄から金は作れないと同じで、そもそも適した人材がいなければ、導入検討すら無駄。
コミュニケーション能力(笑)だけでは、専門性があるとは言えないので、T型人材に該当しないので要注意。マネジメント能力(笑)もまた然り。
ちょっといい会社入って、話題の中抜きしかしてこなかった人に対して、アジャイル教に改心させ、成功した事例があるんだったら是非教えて頂きたい。人格を変えるレベルの劇薬的なことが必要なはず!!!!
少し脱線するが、中抜き自体は100%悪いことではないので、少しだけフォロー。プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、失敗したときの損失が大きくなる。途中で頓挫したり、挙げ句の果てに訴訟合戦になったりしたら、目も当てられない。
そんな時に心強いのが”大企業の資本力”。
数億円の規模の赤字を誤差と考え、顧客との関係性を重視して、赤字を被ってくれたりする。友情対応してくれるのも、日々の中抜きの賜物と思えば、少し納得したり。そんな感じで恩恵を受けている人は少数派だけど。。。ちなみに、友情対応で助けられたことはちょこちょこあるので、中抜きに対しては少しだけ肯定的です。
T型人材が多い会社は、そもそも、”アジャイル導入”なんて大々的なことは不要で、自然にアジャイルチックな仕事ができている。
- ルールや規則に縛られず、本質的に必要なことに注力する。
- 不要なルールは活発な議論で、”必要なルール”に変える。
- 否定をしない。思いやりがあり、傾聴スキルも高い。
- 顧客に価値がないと思ったらスコープ変更。前提に囚われない。etcetc
上記ができていれば、ほぼアジャイルみたいなもの。むしろ、体系立った方式を導入することがマイナスの要因になる可能性すらある。
本来、上記のような質の高いチームが
ウォーターフォールってイマイチだよね。
もっと効率的なやり方があるはず!
って流れで始めるのが”アジャイル開発”。
は根本的に間違っている。”ITパスポートに受からないから応用情報処理を受けよう”って言っているのと同じレベル。背伸びし過ぎ。
<アジャイル導入を失敗させないために>
お金をかけてフレームワークやツールを導入する前に、組織としてアジャイル導入できる程のスキルがあるかを確認した上で、具体的な施策検討に着手すべき。
具体的にやるべきことは以下4点。
- アジャイルに適したT型人材が何人いるのか
- アジャイル導入目的を達成できるほどのT型人材はいるのか
- T型人材が不足している場合、社内で教育できる環境はあるのか
- 社内の人材育成に時間を要する場合、外部から人を採用or調達すべきか
T型人材が集まらないんだっら、”アジャイルではない別の方法”で課題を解決すべき。例えば、
『内製化は諦めて、最低限の社員だけ残し、あとは単価が高いベンダーに丸投げ』
とか
『作るのがめんどくさいからパッケージに業務を合わせて、そもそもの開発を止める』
とかである。極端な例ではあるが、費用対効果を真剣に分析すると、結構いい数字が出たりするので、馬鹿にならず。
今回もダラダラ書いてしまったが、”アジャイルの成功の秘訣”はシンプルに
- T型人材がいるか否か(2回目)
以上!!!